<JFL:松本山雅1-2SAGAWA・SHIGA>◇第6節◇7日◇松本平広域公園総合球技場
天国のマツさんへ、ゴールをささげた。JFL(日本フットボールリーグ)松本山雅は7日、元日本代表DF松田直樹さん(享年34)が急性心筋梗塞のため亡くなった後、初めての公式戦を迎えた。SAGAWA
SHIGAに敗れたが、リーグ首位を相手に一時は同点に持ち込む粘りを見せた。悪天候のため試合開始が遅れ、2人の退場者を出す波乱の追悼試合になった。
マツさんは、きっと見ていてくれた。ボールに対し激しくスライディングタックル。足を懸命に伸ばし、相手のチャンスの芽を摘んだ。2人の退場者を出したのは、いつもの松田さんのように、激しく徹底した守備を貫いたから。気持ちを押し出し、ボールに食らいついた。前半43分に退場したキャプテンのMF須藤は「こんな状態で、嫌でも気持ちは上がってくる。チームのため、マツさんのためにも勝ちたかった」と悔しさをにじませた。
松本山雅は1点を追う後半13分、右CKからDF飯田が頭で合わせて同点。ゴール横に選手が集まると喪章を突き上げ、背番号「3」の刺しゅうが入ったリストバンドを天高く掲げた。飯田は「いつも得点を決めると、あの人は最初に駆け寄ってくれた。今日は、ああいないんだなと寂しく思いました」と苦笑した。同じDFとして、松田さんから「お前ひとりで守れよ」と、よく声をかけられていた。「言われてうれしかったし、そうなりたい」。ここにも、松田の遺志を継いでいる若武者がいた。
横浜時代からのチームメートFW木島良は、下に「3」のユニホームを着てピッチに立った。「マツは見ているより、ピッチに立っている方が喜ぶのかなと思って」。
激しい弔い合戦になった。雷雨で試合開始が1時間遅れ、難しい立ち上がり。相手はリーグ首位のSAGAWA
SHIGA。前半9分に失点。同43分に、MF須藤が2枚目の警告で退場。同点にした直後の後半20分には再び失点し、さらに同34分には、DF多々良も2枚目の警告で退場。それでも9人は、勝利に向かって走った。
しゃがみ込む。天を仰ぐ。頭を抱える。試合終了のホイッスルが鳴ると、9人は精根尽き果てピッチへ倒れ込んだ。加藤監督は「チームのリーダーがいなくなったことは間違いない。マツがいたときはマツに頼っていた。全員が責任を持って質の高いプレーを目指す」と話した。木島良は「(今季の)最後にマツと一緒に笑いたい」と決意を明かした。松田さんの遺志を継いで、松本山雅の挑戦は続いていく。【保坂恭子】



