<トヨタ

 クラブW杯:柏2-0オークランド>◇1回戦◇8日◇豊田ス

 8日に開幕した「トヨタ

 クラブW杯」に開催国枠としてJ王者の柏が登場した。初戦となったオセアニア王者のオークランド(ニュージーランド)を下した。前半37分にFW田中順也(24)が相手GKも腰を抜かすスーパーゴールを決め先制。これには国際サッカー連盟(FIFA)ゼップ・ブラッター会長(75)も仰天するほど。柏の躍進の立役者となった若きFWが、鮮やかな大会第1号ゴールで、世界一を狙う柏の記念すべき初勝利を導いた。11日の準々決勝で北中米カリブ王者のモンテレイ(メキシコ)と対戦する。

 1万8754人が、どよめいた。左サイドでボールを受けると、右足を軸にして外回りにターンする。ボールを奪いに来た相手DF2人を一瞬で振り切ると豪快に左足を振り抜く。目にも留まらぬ速さで、相手GKとポストの間のわずかな隙間をぶち抜いた。今大会1号、そして柏にとってもクラブW杯第1号のゴール。観戦していたブラッター会長が思わず声を上げてしまうほどの強烈なシュートだった。

 「すごいうれしいっすね」。田中に笑顔が弾けた。中盤でMF茨田がボールを持った瞬間パスを要求。「ここにくれ」。相手のサイドにスペースができることを分かっていたからだ。体をぶつけてくる守り。Jリーグでは経験したことのない守備だった。それでも「ぶつけてくるから、こちらから当てればくるっと回れる」と判断。シュートも「GKがセンタリングに反応しようと動いたから」と振り返った。一瞬の時間でも相手をつぶさに観察したからこそのゴールだった。

 今季開幕スタメン。「試合に出られるかどうか不安だった」と話す。MF登録だったが、同じ左利きが3人新加入したことからFWの動きを追求。裏を取る動き、前からの守備。練習で積み重ねた努力が監督の目に留まった。今季13得点をマーク。8月に日本代表にも招集されたが、時を同じくして調子を崩す。「体のキレが落ちた」。得点源であっても調子の悪い選手は使われない。「早く戻ってこいと言われて、期待を感じていた」と話す。11月3日の新潟戦以来の得点で合格点の働きを見せた。

 試合序盤は硬さがありネルシーニョ監督も「ミスが多かった」と反省。それでもチームは試合をこなすごとに強くなった。次戦は北中米カリブ王者のモンテレイ。田中は「全部が未知の世界で楽しみ」と話す。優勝翌朝の報告会で、眠い目をこすりながら宣言した言葉が現実味を増す。「取れるタイトルを全部取りたい」。田中のゴールは世界一を目指すチームの号砲となった。【加納慎也】