午前11時19分、横浜市内のマリノスタウンで行われた横浜-東京V戦の練習試合中、震度3の地震が発生。試合後、横浜DF中沢佑二(33)は「全く気が付かなかった。主審でも無理だと思う。スタジアムに来てくれるサポーターや観客にもはっきり分かるマニュアルを配るなど徹底が必要」と提言。J再開へ向け、余震が続く現状のリスク管理に警鐘を鳴らした。東京VのDF富沢も「ファンが不安に思わないことが第一」と話した。

 ピッチ上のベンチに座っていた横浜木村和司監督(52)が「誰かが揺らしてふざけているのかと思った」と振り返るほど、大きな横揺れが約1分間続いた。観戦していた約1000人のサポーターは地震警報を告げるメールに一瞬静まり、揺れにざわついた。それでも主審、選手たちは誰1人気付かずプレーは続行された。

 横浜は29日の清水戦へ向け、日産スタジアムでの緊急時対応のマニュアルを作成。揺れを感知した場合は第4審判が主審に伝えて試合を止めることや、ピッチや客席などの避難経路、避難場所を定めている。

 だがこの日は、運営担当が状況を見て主審に伝える予定が、明確な基準を設定しておらず、伝える前におさまってしまった。幸い被害はなかったが「これを教訓に改善は必要」と、石井強化部長は対応の改善を見据えた。【鎌田直秀】