<J2:栃木2-1横浜FC>◇第11節◇8日◇栃木グ

 J2栃木がホーム3連勝で開幕からの無敗記録を「5」に伸ばし、単独首位の座を守った。横浜FCに1-1と追いつかれた後半29分、CKからDF渡部博文(23)が頭で決勝点を奪った。東日本大震災の影響を受けた本拠地・栃木県グリーンスタジアムは、通常の入場口が使えず、観客は足場の悪い砂利道を通って応援に駆けつける。感謝の気持ちを忘れず、ファンと一体となり、J2参戦3年目での昇格へひた走る。

 春の青空に、勝利の凱歌(がいか)を高らかにとどろかせた。ホーム戦で勝ったときに歌われる「栃木県民の歌」。栃木では小学生で習い、誰でも口ずさめる。これで開幕から3戦連続。選手全員が肩を組み、ゴール裏のサポーターも肩を組み、一丸となって喜びを分かち合った。

 前半5分に右サイドを抜けたMF水沼のクロスがオウンゴールを誘発し、幸先よく先制。就任3年目の松田監督が掲げるプレッシングサッカーで前線から圧力をかけ、横浜FCを押し込む。同点とされたが、後半29分にDF渡部が奪った2点目で、競り勝った。

 ゴールデンウイーク最終日に集まった観客は6105人。その声援を受け、選手はいつも以上の感謝の気持ちで戦った。地震でスタンドへの経路途中が破損。使用不可で、現在は仮設の入場口がある。当然、サポーターは足場の悪い砂利道を通ることになるが、不便さをものともせず、いつにも増して応援してくれるだけに、選手の気持ちはいやがおうでも盛り上がる。水沼は「ありがたいことです」と感謝した。

 「栃木県民の歌」の歌詞には、「希望」という言葉がある。J1昇格という希望へ。「このチームを本気で昇格させたい」。スタジアムの一体感に浸り、水沼の言葉は力強かった。【阿部健吾】