<J1:甲府3-1名古屋>◇第11節◇15日◇中銀スタ

 名古屋はあきれるくらいに弱かった。昨季王者の面影なく昇格組の甲府に完敗。シュート数も5対12と攻撃が機能しない。FW玉田圭司(31)は「完敗。相手が上。このままなら何度やっても勝てない」。1点を追う前半39分、日本代表MF藤本の芸術的FK弾で1度は追い付いたが、見せ場はここだけだった。

 負の連鎖が続く。DF闘莉王らが故障で欠場中。この日も後半25分にDF増川が左太ももを痛め交代した。実に7人目の離脱者で、うち5人までが筋肉系の故障。11日には練習パートナーとなったクラブ関係者も肉離れを発症するなど、もはや呪われているといってもよい状況だ。

 ストイコビッチ監督も負傷者続出のチームにお手上げムード。12日にACLの遠征で中東UAEから帰ったばかり。「今日の結果にガッカリはしていない。今の状況ではこれが限界だ。次も負けるかもしれない」。同監督は今日16日に長女の卒業式に出席するためフランスの自宅に戻る。再来日は20日で、21日の首位柏戦に向け監督不在の調整を強いられる。チームカラーとマスコットのシャチから「赤シャチ軍団」と言われるが、王者の威厳なく好き放題やられたこの日は、もはや“赤っ恥軍団”だった。【八反誠】