<J1:仙台1-1名古屋>◇第2節◇2日◇ユアスタ
原因不明の首痛を抱え先発した仙台MF梁勇基(29)のゴールで、仙台が昨季王者名古屋から初の勝ち点1をもぎ取った。前半44分、FW中島のパスを中央で受け、技ありの右足シュートで先制。後半20分にMF角田誠(27)のオウンゴールで同点となった。震災の翌日、3月12日に行われる予定だった試合に今季ユアスタ最多の1万8533人が駆けつけた。
これが仙台だ!
という見事なカウンターだった。前半44分、右サイド自陣深くでボールを奪うとDF菅井がハーフライン付近のFW赤嶺へパス。受けた赤嶺はすかさず前線のFW中島へ。名古屋DF闘莉王は仙台ゴール前で足を痛めていたため、名古屋守備陣の要はいなかった。それを見た中島は中央の梁へグラウンダーの右クロスを上げた。
左サイドにはMF松下がフリーでいた。梁のマークに付いていたDFは松下も注意しながら近づいてきた。梁は分かっていた。1度フェイントを入れ、右足で柔らかいシュート。打った時点でゴールと分かる完璧な瞬間だった。「変な力を入れずにイメージ通り打てました」。
前日1日の練習が始まって早々、首と背中に激痛が走った。練習を切り上げ一時帰宅。午後、再びクラブハウスを訪れトレーナーのチェックを受けたが、梁は「明日まで様子を見させてください」と手倉森監督に訴えた。「あいつがそんなこと言うなんて珍しい。前日までに決めることが多い」(同監督)。この日で193試合連続出場となった梁を、欠くことになったら-。手倉森監督はメンバー構成に頭を悩ませ、クラブハウスを離れたのは日付が変わった午前0時過ぎだった。
出場は試合開始約3時間前に決断。そして得点。これぞエースだった。「名古屋に勝ち点1が取れて、連敗もしなかった。チームに粘り強さが出た」と梁。謹慎のMF関口を待つ同期が、仙台の威信を守った。【三須一紀】



