<J1:C大阪5-4広島>◇第25節◇10日◇長居

 C大阪の元日本代表FW播戸竜二(32)がプロ通算3度目のハットトリックを決め、広島に大逆転勝ちを収めた。8月20日の清水戦に続く途中出場での2度目のハットトリックは、19年目を迎えたJリーグ史上初の快挙。チーム最年長のベテランが、Jリーグの1ページに新たな歴史を刻んだ。

 今季最多タイ5得点のお祭り試合を彩ったのは、チーム最年長の播戸だった。3点を追う後半開始から途中投入されると、わずか32分間で3試合ぶりのハットトリック。チームを今季2度目の2連勝へと導いた。

 播戸

 やるべきことは逆転することだけだった。ヘッドも自分らしいゴールだったと思う。今日は勝てたから、前の清水戦(引き分け)よりもうれしいね。

 後半10分、DF丸橋の左クロスに頭で飛び込むと1点差に迫り、同12分には再び左サイドからMFファビオ・ロペスのクロスを頭で押し込んで同点。さらに1点リードで迎えた同32分には右足で蹴り込み、プロ3度目のハットで喜びを爆発させた。

 1シーズン2度のハットを決めたのは06年のマグノ・アウベス(G大阪)以来5年ぶり。8月20日清水戦はわずか12分間で3得点。この日も32分間で3点を奪い、決定力の違いを見せつけた。途中出場で2度の1試合3発はJ1史上初。今季は13試合8得点と、特に夏以降は絶好調だ。

 反撃ののろしを上げたのはMF清武だ。後半開始49秒に最初の1点を返すミドルシュート。「キヨのゴールがあったから続けた」と、播戸は自身3点目の起点になってくれた日本代表とU-22代表を兼務する清武を絶賛した。

 太もも痛を抱える背番号11を、レビークルピ監督はベンチから外すことも考えたが「45分ならいける」という播戸の言葉を信じ、ピッチに送り出した。「播戸は日本人にはない勝者の精神力を持っているからね」。そんな指揮官の期待に見事に応えてみせた。

 休日には自分を高めるために積極的に異業種の人と交流を図る播戸は、日本全国を飛び回るタフネス。五輪金メダリストから会社社長まで、人脈の幅広さは随一だ。「いろんな人と会うことで刺激にもなる」。フットワークの軽さはピッチでも健在だった。

 3年ぶりの日本代表復帰も虎視眈々(たんたん)と狙う。先日はテレビの企画で日本代表の北朝鮮戦を観戦。「2014年(W杯)もあるからね。ザックにも言ったんだよ。あと何回ハットトリックしたらええねん?

 ってね」。32歳にして進化し続ける“浪速の闘魂FW”は、若々しい笑顔だった。【福岡吉央】