仙台の王様が1人でタクトを振る覚悟だ。チームは21日、台風15号が迫る大雨の中、宮城・大和町ダイナヒルズ運動公園で24日のアウェー横浜戦へ向け練習。MF関口訓充(25)が右股関節捻挫、MF松下年宏(27)が左足付け根痛と故障を抱える中、万全のMF梁勇基(29)がゲームメークを一手に引き受ける。現在5位。ACL出場の3位圏内を目指すには、勝ち点10差の3位横浜との対決は落とせない一戦となる。

 仙台にピンチが訪れた。攻撃的MF2人が負傷中。ドリブラー関口、パサー松下が24日までに回復できるかが心配される。だがそんな状況下でも、梁は動じていない。「中盤の離脱になりかねないが、けが人がいっぱいいるけどやるしかない」。

 被災地の希望の光になるための条件は「ACL出場」。圏内の3位へ入るためには、勝ち点51の3位横浜との直接対決を落とすわけにはいかない。梁は手薄になった中盤での強敵との対決も普段と変わらない。その理由は昨年9月25日。梁がアシストし、FW赤嶺の決勝弾で02年以来8年ぶりに横浜を下した。「昨年勝ってるからね。良いイメージ」と頼もしい。

 状況も真逆だ。昨季は横浜に勝ち、降格圏内の、16位と勝ち点6差にした。それに対して、今季はACL出場を目指す5位に位置づける。開幕12戦無敗だった当時の勢いが戻りつつある。

 痛みを抱える2人も出場へ向け意欲を見せる。左足付け根痛の松下は大雨の練習にも耐え「次は前回より万全な状態でやれる。もちろん出ますよ」。関口はまだ通常練習には合流できていないが治療に専念し、24日に間に合わせる姿勢を見せている。

 W杯アジア3次予選の北朝鮮代表と二足のわらじを履く梁だが、ケガもなく仙台を支えている。8年目の生え抜きは「残り8戦、平常心で戦うだけ」。ACL出場は仙台の王様の右足に懸かっている。【三須一紀】