<天皇杯:仙台2-1ソニー仙台>◇2回戦◇8日◇ユアスタ

 仙台が延長戦の末、JFLソニー仙台に辛くも勝利し、3回戦に駒を進めた。2年連続の「仙台ダービー」。昨年も今年同様に120分を戦い、0-1で敗れた相手にリベンジした。後半29分、MF太田吉彰(28)のPKで先制しながら追いつかれた。それでも延長後半9分、途中出場のFW武藤雄樹(22)がPKでプロ初ゴールをゲットし、白星をつかんだ。

 仙台は昨年と同じように、ソニー仙台の粘りに苦しんだ。格上らしく再三ゴール前まで迫り、シュートの雨あられを浴びせた。その数33本。だが引いて守る相手を崩しきれず、PKで挙げた2点に終わった。手倉森監督も「ベガルタ仙台の天皇杯初戦は大体、厳しい試合になる。うちの選手も相手を見下すことなくなれたとは思うが、ソニー仙台の全力プレーは素晴らしかった」と脱帽せざるを得なかった。

 歯がゆい展開の中で光ったのは武藤。後半15分にFWディエゴに代わって出場すると、新人らしく積極的にドリブルで左サイドを切り裂いた。決勝点を奪った延長後半9分も、ゴール前で強引に仕掛けてPKを獲得。きっちり決めてプロ初得点を挙げた。「誰が蹴るか話し合いはしませんでした。したら譲っちゃいそうだったんで」。新人らしからぬ駆け引きでキッカーをゲットしていた。

 前々回大会はJ2で優勝した勢いも加わり、4強まで駆け上がった。今年はここまでJ1で5位。快進撃をみせた一昨年にも負けない好成績を残している。昨年敗れた難敵を撃破し、手倉森監督は「被災地のチームとここで対戦するのはつらいことだった。宮城、東北の代表として、より高みへ行けるようにしたい」。1つでも多く勝ち残ることで、被災地を勇気づける。【湯浅知彦】