札幌の「ゆず」が500号への架橋をかける。現在2位のJ2札幌は今日16日、ホーム札幌厚別で3位鳥栖と対戦する。先発にはチーム得点ランク1位の内村圭宏(27)、同2位の近藤祐介(26)、攻撃の軸ジオゴ(28)の3巨砲が公式戦2戦ぶりにそろい踏みする。クラブのホーム通算得点は497点。YUSUKE、DIOGO、UCHIMURAの「YUDU(ゆづ)」砲で節目弾を決め、昇格争いのライバルを引き離す。

 札幌が誇る爆裂3銃士が、鳥栖DFをこじ開ける。15日の札幌・宮の沢でのミニゲームでは内村が1得点、近藤は得意のバズーカ砲連発。ジオゴは居残りで約10分、岡山とヘディング練習をこなすなど、念入りに調整した。内村は腰痛、ジオゴは左太もも痛で8日の天皇杯水戸戦を欠場したが既に回復。10月2日の横浜FC戦以来2週間ぶりに大砲“ゆづ”がそろい立つ。

 当然、狙うはホーム500号だ。「最初のシュートは自分が打ってリズムをつくりたい。得点につながるように枠をとらえたい」と近藤。9月11日の栃木戦以降、得点のない助っ人ジオゴも負けてはいない。「鳥栖は“鳥のすみか”という意味なんだって?

 それはカラスの出番だね」。今季は7月16日の水戸戦でクラブ通算700号を決めた内村も「また節目が来ましたか。譲れませんね」と意気込んだ。3砲共演で、一気に大台到達といきたいところだ。

 内村は1得点した横浜FC戦後に腰痛を発症し1週間別メニュー調整になったが「しっかり休んだおかげで状態はいい」と快調だ。近藤は、その横浜FC戦では不調。シュートゼロで後半8分に途中交代しただけに石崎監督も「祐介が鳥栖戦のキーマン。この前は良くなかった。どこまでやれるか」。ジオゴはMFブルーノが11日に全体練習に合流したおかげで、練習への送迎もブルーノカーを利用できるようになった。ポルトガル語での会話が単身赴任のストレス発散となり、精神面も充実してきた。

 鳥栖戦からは14日で5戦こなす勝負の2週間に突入するだけにジオゴは「しっかりチームに勝利を届けて波に乗れるように」と気を引き締めた。19日京都、22日鳥取、26日徳島、30日熊本-。負けられない戦いが続くがトリプル砲がいれば大丈夫。いくつもの試練を越え、たどり着いたその先に、昇格への架橋が見えてくる。【永野高輔】