<J1:柏1-0山形>◇第29節◇16日◇柏

 善戦実らず山形は柏に敗れた。前半33分、MFジョルジ・ワグネル(32)にPKで先制を許し、後半は引いて守る相手を崩せなかった。前日15日に浦和と甲府の順位が入れ替わり、降格圏を脱するには甲府との勝ち点差9が必要。最短で次々節アウェー神戸戦(11月3日)にJ2降格が決まるピンチとなった。

 山形は終始、攻め手を欠いた。前半33分にPKで先制して以降、明らかに「どん引き」で逃げ切りを図ってきた柏。後半のシュート数は0。畳み掛けるように、DF園田を中心に何本もクロスを上げた。だが山形も後半のシュートは、MF太田が直接狙ったFK1本だけ。ゴールに結び付く攻撃はなかった。小林伸二監督(51)は「下がった相手を崩さないといけない展開。先制されると難しい」と肩を落とした。

 随所に好プレーはあった。前半4分、MF栗沢のミドルシュートをGK清水が左に横っ跳びし、ギリギリのところでセーブ。ピンチをしのいだ。同15分にはMF伊東がドリブルで仕掛け、パスを受けたMF船山がダイレクトでFW長谷川へクロスを上げた。わずかに合わなかったが、流れるような攻撃で柏ゴールに迫った。それでも結果は0-1。長谷川が「相手は局面で全然、慌ててなかった。上位にいるチームだと感じた」と振り返るように、試合巧者にしてやられた。

 前日15日は、甲府が15位に浮上。残留ボーダーを越えた。次節22日に山形がG大阪に敗れ、翌23日に甲府が清水に勝てば、勝ち点差は12。山形と甲府が敗れ、16位浦和が横浜に勝てば、山形と浦和の差は11となる。いずれにしても、最短でJ2降格が決まるのは神戸戦。危機的状況は続く。【湯浅知彦】