<天皇杯:名古屋3-3(PK9-8)柏>◇4回戦◇21日◇瑞穂陸

 名古屋が柏との死闘を制し、4大会連続の8強入りを決めた。延長含む120分を戦い、PK戦へ。名古屋は9人目のGK楢崎正剛(35)が決めたのに対し、柏は10人目のGK菅野孝憲(27)が失敗。互いのGKを含む計20人が蹴るPK戦を9-8で制し、今季最後のタイトル奪取への望みをつないだ。

 日本一のGK、名古屋楢崎が守備ではなくキックで主役になった。「プロになってからは記憶にない。多分初めて」というPK戦のキッカーとして9人目で登場。右足を振り抜き、ゴール左スミに決めた。先攻の柏は続く10人目のGK菅野が失敗。GKのキックが試合を分けた。ボールをセットした楢崎は「狙い通り」と見事なキックをみせた。GKというポジション柄、得点とは無縁。プロになって初めて自身のシュートで試合を決めた。主役はニヤリと笑い、胸を張った。

 「オレ、ゴールデンシューズの受賞者ですからね。シュートは簡単ですよ」

 5日のJリーグアウォーズ(年間表彰式)ではケガで欠席した得点王の同僚FWケネディの代役として表彰を受けた。壇上ではゴールデンシューズまで受け取った。この日の見事なPKは、得点王顔負けだった。

 ケガで離日したFWケネディ、DF闘莉王と飛車角抜きの布陣。さらに不動の左サイドバックのDF阿部もケガで欠場と主力3人を欠きながら、ベストメンバーの柏を下した。勝ち点差1で優勝を譲ったリーグでは、1分け1敗だった相手に雪辱。昨季リーグ王者のプライドを保ち、タイトルへの望みもつないだ。【八反誠】