<J1:広島2-0鹿島>◇第3節◇24日◇広島ビ

 名門鹿島がクラブ史上初のシーズン開幕3連敗という泥沼にはまりこんだ。敵地に乗り込んでの広島戦でも悪い流れは変わらず、いまだにリーグ戦の得点もゼロ。DF岩政は「悔しいです。残念です」と険しい表情を浮かべた。

 前半25分にセットプレーから先制点を献上。3戦連続でセットプレーから失点しており、試合巧者の鹿島らしさは皆無だ。GK曽ケ端も「また同じように失点した。改善しないと」と話した。20日のナビスコ杯神戸戦で今季公式戦初勝利を挙げたが、いまだにチーム状態は上向かない。

 悪いことは重なる。後半10分にDF新井場が後方から広島の選手を倒して退場処分を食らってしまった。試合後、クラブ関係者が映像を見直し、新井場のタックルは正当なものに映ったが、時すでに遅し。この退場劇が不運にも試合の流れを決めてしまった。

 欧州では後日、誤審が判明して退場による出場停止が取り消されるケースがあり、鹿島側も判定への意見書を提出する意向だが、Jリーグでは判定が覆る可能性は極めて低い。新井場も「完璧なタックル。でも判定は変わらない。こっちが大人にならないと」と振り返らざるを得なかった。

 依然として単独最下位。過去に開幕3連敗を喫し、優勝したクラブはない。ジョルジーニョ監督は「残念ながら第三者(主審)が試合を決めてしまった。ただ、判定に試合結果の責任を押しつけようとは思わない。チームが悪いプレーをしているのは確か。修正しないといけない」と話した。名門復活へ苦難の道が続きそうだ。【菅家大輔】<Jリーグ記録室>

 ◆開幕連続試合完封負け

 鹿島が開幕からリーグ戦3試合連続の完封負け。シーズン開幕からの連続試合完封負け記録は、94年の名古屋の4試合連続がワースト。3試合連続は07年の甲府に並ぶワースト2位。94年の名古屋は最終的に12チーム中11位、07年の甲府も18チーム中17位だった。

 ◆鹿島の開幕3連敗

 シーズン開幕からのリーグ戦3連敗はクラブ史上初の屈辱だ。これまでに2ステージ制だった02年の第1ステージ(S)、1ステージ制になった05年以降では07年にシーズン開幕から2連敗を喫している。2ステージ制の94年第2S(★★★●)、99年第2S(●●●■)にはともに開幕4連敗しているが、これらは第2Sのためシーズン開幕からではない。

 ※●は90分負け、■は延長Vゴール負け、★はPK戦負けを示す。