<ナビスコ杯:横浜1-2札幌>◇1次リーグ◇4日◇ニッパ球

 榊弾で今季1勝!

 札幌が横浜に勝ち、J1復帰後、公式戦初白星を挙げた。前半6分にFW大島秀夫(32)の今季初ゴールで先制し、同ロスタイムには公式戦初先発の新人FW榊翔太(18)が追加点を決めて突き放した。今季6試合目にして、ようやくつかんだ勝ち点3。中2日で迎える7日のJ1柏戦(札幌ドーム)では、この勢いに乗り、リーグ戦初勝利を狙う。

 163センチのチーム最小兵が爆発した。1-0の前半ロスタイム、カウンターからDF日高が左サイドを駆け上がりゴール前にクロス。逆サイドからは100メートル11秒台の快足を生かし榊が猛然と走り込んでいた。「日高さんのボールがドンピシャだった。GKが飛び出してきたので勢いでいきました」。ジャンプして胸でワントラップすると、そのまま頭でねじ込んだ。

 期待の18歳が公式戦初先発で猛アピールだ。今季公式戦6試合目での初勝利に「ゴールをしっかり決めきるという部分は出せていた。リーグ戦にもつながる勝利」と石崎監督。今季初出場だった3月20日のナビスコ杯新潟戦では、0-1の同43分に近藤の右クロスを頭でとらえたが、ボールはわずかにゴール上に外れた。指揮官は「いい入り方だったが、あれは決めないと」と手厳しかった。課題克服に挑んだ雪辱のピッチで、しっかり結果を出した。

 父の言葉通り、まっしぐらにゴールに突進した。ホームゲームには毎回、父浩二さん(46)が家族全員を車に乗せ、故郷清水町から応援に訪れる。その父のアドバイスはいつも決まっていた。「FWはゴール前でパスなんかするな。内容も大事だけど、お前が点を取らないとダメだ」。運動神経抜群の父は学生時代、野球やアイスホッケーなど万能だったが、プロにはなれなかった。父の経験則から導いた答えは“一芸を磨け”。シンプルに俊足を生かしたJ1相手の初得点は、プロで十分通用することを証明した。

 高校3年で出場した昨年10月8日の天皇杯水戸戦ではトップチームデビュー戦で1得点し、今度は初先発初得点。今日5日にはU-19日本代表のUAE遠征に旅立つ。7日のリーグ柏戦、14日名古屋戦の2戦は出られないが、離脱前に、いいアピールができた。「今度は親が来るホームで決めたい」。貪欲な18歳は、恩返しの1発を、次の目標に定めた。【永野高輔】