<J1:柏2-3仙台>◇第6節◇14日◇柏
仙台はFW赤嶺真吾(28)の決勝弾で昨季王者の柏を撃破し、首位を守った。
目の前で両軍合わせて4ゴールが乱れ飛ぶ中、仙台のエース赤嶺が黙っていられるはずもない。後半33分にニアサイドへ走り込むと、MF太田のグラウンダーのクロスを右足で反対の左隅へ。自身後半最初で最後のシュート1発で試合を決めた。「ゴールを意識してできたのが結果に結びついた。うれしいです」。やってのけた仕事の大きさとは裏腹に、本人のコメントは素っ気なかった。
これで10年8月22日の大宮戦から、厳密に言えば同じく10年8月の仙台移籍後から、得点した20試合でチームは負けなし。「全然意識したことがありません」と、本人は全く無関心な不敗神話を持つ赤嶺だが、キャンプでは選手生命の危機にひんしていた。
2月18日、タイ遠征のブリラム戦で右目を蹴られ、ピッチの脇に担ぎ出された。おびただしい流血で傷の深さもはっきりしない。「オレの目、どうなってますか?」。聞かれたトレーナーの方が、あまりの惨状に絶句したほどだった。そのまま救急車で病院に搬送。傷口を縫い、日本に帰国後も「小さな血栓ができているから、無理をすれば失明の恐れがある」と言われた。ケガ人の代役として追加招集の声がかかった久しぶりの日本代表も諦めることになったが、心は決して折れなかった。
チームは昨年、堅守を誇った一方で引き分けが14試合。この日はアウェーで強力外国人を擁する王者相手に先手を取り続け、打ち合いを制した。2戦連発のMF関口は「自分たちのスタイルを見つめ直して、守備を前提にプレーしないといけない」と2試合連続の2失点に手綱を締めたが、赤嶺と太田の3得点を筆頭に14ゴールを稼ぐ攻撃力は本物の感が漂う。たくましいエースに率いられ、仙台は負けないチームから、勝ちきれる集団へと進化している。【亀山泰宏】
◆赤嶺の「不敗神話」
仙台FW赤嶺はJ1通算45得点で、得点を決めた試合は通算29勝8分け5敗(1試合2得点が3試合)。東京時代は15勝2分け5敗だったが、仙台移籍後は10年8月22日の大宮戦で初ゴールを決めて以来、14勝6分けと20戦不敗。



