<J1:札幌1-3広島>◇第13節◇26日◇札幌厚別

 守備崩壊で4連敗-。札幌は広島に敗れた。前半21、27分と連続失点。後半5分にMF内村圭宏(27)の今季初得点で1点差に詰め寄ったが、同38分にFKから直接ゴールを許した。13戦を消化し、1勝1分け11敗。日刊スポーツ評論家の大森健作氏(36)はトンネル脱出へ向け、昨季ベースとなった組織的守備の再確認が不可欠と提言した。6月16日の仙台戦まで、リーグは3週間の中断に入る。

 石崎監督が開幕前から懸念していたDF陣が、ここにきて大きく崩れ始めた。3日のC大阪戦は1-0で初勝利をつかんだが、6日の横浜戦から4戦13失点。13戦を消化してリーグワーストの28失点と、厳しい現実をつきつけられた。

 大森氏

 今はまず守備を見直すべきだ。今回も序盤にチャンスをつくりながら、ミス絡みで先制点を献上した。21分の先制点は、河合がボールを奪われたところがポイント。厳しいのは2点目。広島MF青山にロングボールを入れられた後、DFジェイド・ノースのマークがあいまい。ヘディングで戻した高萩に、日高がつくのか自分でいくのかはっきり指示を出していたと思えない。鹿島戦(19日)でも序盤の2失点はノース絡み。DFの軸となる選手が、周りを動かせないと。ノースと周りの選手とのコミュニケーションを徹底する必要がある。

 追撃ムードの後半38分にはFKの際、壁が割れた隙間から3点目を与えた。セットプレーでの簡単なミスが勝敗を分けた。

 大森氏

 3点目は最悪。あれはGKにもどうしようもない。それ以外も、今季はボールをどこで奪いにいくかをはっきりできていない試合が多い。奪えないから守備の時間が増え、集中力や体力も奪われミスにつながる。夏場のアウェーになれば、90分追い込んでいくのは厳しくなる。昨季ベースだった全体での連動した守備の再確認と、夏場の戦い方。この2点を中断期間に立て直すことが急務だ。個で勝てないのに組織でも負けたら浮上できない。

 次節は首位の仙台と敵地で対戦する。鹿島戦のように熱狂的サポーターに囲まれた中での戦い。同じ過ちは繰り返せない。

 大森氏

 仙台戦で踏ん張れればチームも変わっていけるだろうが、プレッシャーに負けて腰が引ければ鹿島の二の舞いになる。ある意味で正念場。勝つことが自信につながる。今の現実から逃げずに、互いに意見を言い合って、細かいところから修正していってほしい。【取材・構成

 永野高輔】