<J1:C大阪1-1浦和>◇第16節◇6月30日◇長居

 ドイツ1部ニュルンベルクに移籍するC大阪の日本代表MF清武弘嗣(22)が、ホーム長居での浦和とのラストゲームを引き分けで終え、今季最多3万6000人超のサポーターと別れを惜しんだ。

 「今日はまじガチガチで一番硬かった。勝ちたかったですけど、最後、(FW柿谷)曜一朗が決めてくれてマジ良かった。また新天地で頑張ります」

 支配率で勝る浦和相手に何度もサイドから好機を演出。得点こそならなかったが、後半ロスタイムに柿谷が同点弾を決めると、ベンチに退いていた清武は、MF柿谷曜一朗(22)のもとに駆け寄り、自分のゴールのような熱い抱擁で喜びを分かち合った。試合後のセレモニーでは目頭を熱くし、7度宙に舞った。

 移籍直後は出場機会をつかめなかったが、今年は森島、香川と歴代エースの代名詞でもある背番号8を背負った。クラブ側からの提示に、清武は迷わず「はい、分かりました」と即決。自分も2人に続くんだという自信の表れが、プロ入り後初めて、ケガなく開幕から全試合先発という足跡にもつながった。

 そしていよいよ02年W杯を地元大分で観戦して以来、憧れ続けてきた海外への移籍。今夏に控えるロンドン五輪、そして2年後のW杯ブラジル大会へと夢も膨らむ。清武は舞台を世界に移し、新たな戦いに挑む。【福岡吉央】

 ◆清武弘嗣(きよたけ・ひろし)1989年(平元)11月12日、大分県生まれ。大分ユースから08年トップチーム昇格。大分のJ2降格を機に、10年C大阪へ。J1通算97試合17得点。ACL7試合4得点。五輪代表の主力で、日本代表にも定着。昨年8月の韓国戦でA代表デビュー。これまで国際Aマッチ7試合無得点。172センチ、66キロ。家族は妻と長男。