<J1:仙台2-2広島>◇第16節◇6月30日◇ユアスタ

 首位攻防戦で「WILSHOW」全開だ。仙台がホームで2位広島と引き分け、首位をキープした。前半11分にFWウイルソン(27)のゴールで先制しながら逆転を許す展開。第2節から守ってきた首位陥落の危機だったが、後半34分に助っ人が値千金の同点ゴールを決めた。ブラジルのコリンチャンス時代に華麗なプレーから名付けられたニックネーム通りの劇的2発で、チームを救った。

 今季ホーム最多1万8722人が詰め掛けたユアスタが、ウイルソンの独壇場と化した。まずは前半11分、赤嶺のスルーパスに抜け出して冷静に蹴り込む先制弾。首位攻防戦の口火を切った。

 その後チームは前半ロスタイム、後半20分と失点。逆転を許す苦しい展開にあって、得意のサイドに開くプレーで再三決定機を演出、自身もチャンスを待った。献身的なプレーが実を結んだのは後半34分。相手のミスからGKと1対1になると、落ち着いてかわし、右足で流し込んだ。

 「遠征が多くて子どもと一緒にいられる時間が少ないから、休日はあまり家を出ることはないんだ。映画とかを見てるよ。外食もたまにするし、仙台で食べたサーモンはおいしかったよ。でも、基本的には家で(夫人に)ブラジル料理を作ってもらうことが多いね」。そんな家族愛あふれる“インドア”な助っ人だが、ひとたびピッチに立てば正確無比なゴールハンターに変貌する。来日初のマルチゴールで8得点。堂々のチーム得点王だ。

 手倉森誠監督(44)の攻撃的な采配も実った。後半26分に守備の要である鎌田に代えて松下を投入。「ひっくり返された以上、仕掛けていくしかなかった。終盤タフなゲームだった中で勝ち点1を拾えた。3連戦の最後に素晴らしいゲームができた選手たちをねぎらいたい」と振り返った。カップ戦も含めて無敗のまま6月を終えてリーグ首位の座は譲らず、後半21分には左膝のケガで戦列を離れていた関口も復帰。次節、折り返し地点となる7日アウェー神戸戦から、勝負の夏本番に突入する。