清水FW高木俊幸(21)が5日、亡き祖父に7戦ぶりの勝利をささげることを誓った。明日7日のホーム川崎F戦に向けて調整を続けていた1日、祖父飯田和夫さん(享年75)が亡くなった。高木は「サッカーを始めた時からずっと応援してくれた。プロで活躍できるようになって、楽しそうに見てくれていた。思い出もたくさんあって本当にかけがえのない存在でした」。5月のC大阪戦後に食事をしたばかりだった。

 3日の午後から練習を休み、葬儀などに出席。その時見た祖父の手帳には、清水の過去の記録や今後の日程などが細かに記されていた。孫の活躍を心待ちにする言葉も並んでいた。「正直、じいちゃんには試合をもっと見てもらいたかった。やっぱり悔しい部分もあります…」。

 チームは現在6戦勝ちなしで、前半戦折り返しを前に10位まで後退。通算1000ゴールにも王手をかけながら足踏み状態が続いている。勝ち点差8で追う首位仙台を追撃するためにも踏ん張りどころだ。さらに川崎F戦は“20歳”を迎えたクラブの記念試合。高木は「言葉として間違いかもしれないけど、すべてのシチュエーションがそろった。気持ちを前面に出して戦う」。練習に合流したこの日は黙々と調整に励んだ。じいちゃんが一番喜ぶ勝利を届けるために。【前田和哉】