清水の「超新星」MF石毛秀樹(17)が、ナビスコ杯で最も活躍した23歳以下の選手に贈られる「ニューヒーロー賞」獲得に向けてフル回転を誓った。東京との同杯準決勝第1戦を2日後に控えた3日、通学する清水西のテストのため全体練習には合流できなかったが、放課後に用意された「特別メニュー」で体調を整えた。

 学校を終えたMF石毛が仕事モードに変わった。この日、テストのため午前9時30分から行われた全体練習を欠席。しかし、アフシン・ゴトビ監督(48)が午後3時から特別メニューを用意。GK碓井健平(25)らを待機させ、約1時間のフルメニューを黙々と消化した。両手で汗を拭うと「自分のためにやってくれて本当に感謝している。中途半端なプレーはできないし、優勝へ貢献しないといけない」と、東京戦へ気持ち引き締めた。

 96年以来16年ぶりの優勝まであと2つ。同時に「ニューヒーロー賞」も現在、獲得票トップ10入りで受賞も視野に入っている。かつての受賞者には藤枝MYFC選手兼任監督で元清水の斉藤俊秀(39=現藤枝MYFC監督)や磐田時代のFW高原直泰(33)、日本代表主将でドイツ1部ウォルフスブルクMF長谷部誠(28=藤枝東出)が浦和時代になど、一流メンバーがそろう。石毛は「活躍を続けていきたい。自分が貢献し続けて、チームが優勝すれば個人タイトルもついてくると思う」と話す。

 2冠に向けて、まず壁となる東京。9人で勝利(1-0)した前回対戦のリーグ戦はメンバー外だったため、石毛にとっては初対戦となる。さらに、試合当日も授業を終えてからの合流とハード日程も続くが「体も重くないし、あと1日でしっかり準備できると思う。相手のメンバーを見ればすごい選手がそろっているけど、果敢に仕掛けて負けたくはない。シュートやクロスなど1つ1つのプレーを最後までやり切りたい」と、力強くフル回転を誓った。【前田和哉】