<J1:広島2-1仙台>◇第25節◇15日◇広島ビ

 敵地で一矢は報いた。J1仙台が広島との天王山に敗れ、奪還から1節で首位陥落。それでも、後半25分に得意のサイド攻撃で1度は同点に追いつく粘りを見せた。MF太田吉彰(29)のクロスにFW赤嶺真吾(28)が頭から飛び込み、6試合ぶりのゴール。勝ち点2差となった広島追い上げへ、眠っていたエースの覚醒はこれ以上ない光明だ。

 仙台十八番のサイド攻撃が、広島の警戒網をかいくぐった。1点を追う後半25分、角田がペナルティーエリア右のスペースへ転がす。絶妙スルーパスに、太田が自慢のスピードをフルスロットルにして走り込む。中央へ低い弾道で折り返すと、最後は赤嶺がダイビングヘッドで仕上げを施した。赤嶺が「いいボールが来たんで、押し込むだけでした」と振り返るほど一連の流れは美しく、完璧だった。

 6月のナビスコ杯で対戦した際にもサイドから崩して2点を奪い、結局3-1で逆転勝ちした。広島も十分に注意していたはずだが、それをあざ笑うかのような連係。太田は「裏に抜け出せたし、ウイルソンと赤嶺も中で反応できる状態だった。ああいう形がもっともっと増えていけば、強い仙台に戻れる」と手応えをにじませた。手倉森監督も、終盤に投入された柳沢が惜しいシュートを放った場面と合わせて「太田のアシストにヤナギ(柳沢)のシュート。みんなが万全であることを示せた。選手を信じてやり続けたい」と光明を見いだした様子だ。

 赤嶺に得点が生まれた意味も大きい。8月は不発に終わったエースが、6試合ぶりの1発でJ通算50ゴールを達成。得点した試合の不敗記録は24試合で途切れたものの「(安定した成績を残すという)オレが東京時代にできなかったことをやっている人」と尊敬する広島FW佐藤の前で今季8点目を決め、目標の2年連続2ケタが見えてきた。

 大一番で不運やミスもあって痛恨の黒星とはなったが、意地は見せた。手倉森監督は「最終節だったらと思うとゾッとするが、まだ9戦ある」と前を向く。今季、まだ連敗のない仙台。味わった悔しさと見えた課題を、タイトルへの踏み台とするしかない。【亀山泰宏】