<J2:山形1-1東京V>◇第36節◇9月30日◇NDスタ

 最後の最後で白星がスルリと逃げていった。山形は東京Vと引き分け、3連敗を含めて5戦勝ちなし。後半31分、MF秋葉勝(28)が右足で今季8点目を決め、先手を取った。だが試合終了間際、DF土屋征夫(38)の同点弾に泣いた。順位は8位で変わらず。残り6試合に昇格を懸ける。

 「奥野マジック」がはまっても、白星はつかめなかった。先発メンバー、リザーブともに采配がズバリ。だが終了間際に同点に追いつかれ、4試合ぶりの勝利を逃した。

 闘将の粘りが先制点をもたらした。後半24分。8月19日のアウェー愛媛戦(2○1)以降、6戦連続でベンチを外れていたFW山崎がピッチに帰ってきた。春先から続く恥骨部の痛みはまだ引いてはいない。それでも奥野僚右監督(43)は、前線で泥くさくボールを追いかける男に懸けた。その期待に応えるのがエース。同31分、中央でDF土屋に倒されながらも、味方からのパスをFW林につないだ。次の瞬間、林の外から追い越した秋葉が右足を振り抜き、ゴールが生まれた。

 最終ラインの「改造」も功を奏した。9月に入ってから徳島、鳥取、京都戦でいずれも2失点。前節草津戦ではMF小林にハットトリックを許して3失点とDF陣が振るわなかった。そこで今節は、右SBに小林ではなく宮本を起用。小林前監督から「1対1の守りはミーモ(宮本)が一番うまい」と評された“守備のスペシャリスト”で守備の安定を図った。CBは前田ではなく、189センチ、88キロの雄大な体を持つ岡根が出場。キャンプ時から味方をも吹き飛ばすほどのタックルを見せつけていた24歳に託した。今季初先発の2人が、リーグトップ57得点を誇る東京Vの攻撃をことごとく封じた。だが、勝利まであと1プレーで悪夢は起きてしまった。

 台風の影響で3試合が中止となったため、順位は暫定ながら8位のまま。見えかけたトンネルの出口が、また遠のいた。【湯浅知彦】