<J1:仙台3-2浦和>◇第29節◇20日◇ユアスタ

 優勝争いが2強の様相を呈してきた。2位仙台が浦和を撃破し、柏に敗れた首位広島と勝ち点54で並んだ。前半2分にFW赤嶺真吾(28)が今季10点目となる先制ヘッドを突き刺すと、後半にはFWウイルソン(27)も負けじと2ゴール。10年のJ1再昇格以降ではクラブ初となる2ケタ得点2トップが、まれに見るデッドヒートを制す鍵となる。

 仙台が逆転優勝を視界に捉えた。デーゲームで勝ち点3を積み上げて勝ち点54で並ぶと、ナイターで広島が敗戦。試合直後、手倉森監督が「残り6試合の中で、広島より先に試合をしてプレッシャーを与えられるのは今日しかない。あとは全部広島と同じ時間。何時間かでも首位に並んでいられるなら大きい」と話した通りの展開になった。

 ウイークポイントだった得点力を克服しつつある今季のチームなら、打ち合いにだって負けない。前半2分に赤嶺が頭でズドン。後半はウイルソンが決定力を見せつけた。2年連続で2ケタに乗せた赤嶺は「目標だったのでうれしい」と照れ笑いし、12ゴールでチームトップの助っ人は「チームメートがいろんな場面で助けてくれる」と感謝した。

 39得点の昨季から、今季は52得点。10年のJ1再昇格以降ではクラブ初となった2ケタ得点2トップが引っ張る。まずは東京時代の08年には年間18ゴールを挙げた赤嶺の再生。10年8月に期限付きで獲得すると、手倉森監督は仙台にフィットする確信を持ったという。「前からの守備、飛び出し、スクリーン(体を張ったプレー)とFWに必要な全てを持っている。誰とでも2トップを組める」。シーズン途中の補強選手はチームになじむまで控えからやらせるのがこだわりだが、赤嶺だけはいきなりフルで使ったほどだった。

 今季加入のウイルソンも、前線での献身的な守備が目に留まって獲得に動いた。丹治強化部長も「万能型だよね。20点とか取るタイプじゃないけど、ウチに合ってる」と評する。さらにチーム合流初日から居残りでランニングを行う勤勉さもあれば、海外5クラブを渡り歩いた男が日本で覚醒したのは必然だった。守備から入って、90分間走りきるチームコンセプトに合う選手の獲得を進めてきた象徴とも言える仙台の強力2トップ。得点王独走の佐藤を擁する広島にタッグで挑み、残り5戦で逆転を狙う。【亀山泰宏】

 ◆首位と2位が同勝ち点

 J1は残り5試合で、首位広島と2位仙台が勝ち点54で並んだ。1シーズン制となった05年以降、残り5試合以下で首位と2位が同じ勝ち点で並ぶのは、05年11月23日の第32節以来、7年ぶり2度目の珍しいケース。

 ◆05年のJ1リーグ戦

 最終節まで5チームが優勝の可能性を残す大混戦だった。最終的にG大阪が勝ち点60でJ1初制覇を果たしたが、勝ち点59で4チームが並び、得失点差で2位浦和、3位鹿島、4位千葉、5位C大阪となった。最終戦で勝てば優勝だったC大阪は、東京に試合終了間際に2-2に追いつかれて優勝を逃した。