<J1:清水1-3G大阪>◇第32節◇17日◇アウスタ

 勝利の余韻は、すぐに消えた。横なぐりの激しい雨の中で圧勝した試合を終え、ロッカー室に戻ったG大阪の選手には、あまりに厳しい現実だった。同時刻に行われた14位大宮、15位神戸もそれぞれ勝利したため、残り2戦で残留圏に届かない。次節に引き分け以下なら、他会場の結果次第で、J2降格が決まってしまう絶体絶命の窮地に追い込まれた。

 今季初2得点の倉田も、複雑そうだ。前半24分に角度のない位置から先制弾、後半、同点に追いつかれたが、同19分には3点目。大活躍にも言葉に力が入らない。「何で(大宮も神戸も)勝つねん。控室に戻って、結果を聞いた瞬間に、うれしさがなくなりました。ほんまに負けなくて良かった。負けていたら、もう終わってしまうから」

 着実にチーム力は戻っているのに、順位が上がらない。この日も悪天候にもかかわらず、ボールを支配し着実に加点した。課題の守備もシュート5本に抑え、PKの1失点だけ。後半戦は6勝6分け3敗と、まずまずの試合運びをしている。それなのに、大失速した前半戦(3勝4分け10敗)の取りこぼしが、あまりにも痛すぎる。

 ライバル大宮は40に到達し、神戸も同39に。G大阪が2戦全勝すれば同43になるが、それでも残留は他力だ。しかも主力センターバックのDF岩下が累積警告で残り2戦は出場停止。松波正信監督(37)は「自力はないので、やることをやるしか、方法はない」。遠藤も「他も頑張っているということ。僕らは僕らで、今いる順位を冷静にとらえて、仕事をしっかりするだけ」と言った。このままJ1から消えてしまうのか。精神的にキツい、残り2戦になる。【益子浩一】