J1残留へ絶体絶命の危機に陥ったG大阪が、再建に向け、一昨年まで清水を率いた長谷川健太氏(47)を来季の監督候補に挙げていることが24日、分かった。複数のJリーグ関係者が明かした。既に水面下で長谷川氏側に打診を済ませており、12月1日の最終節磐田戦(アウェー)後にも本格交渉に入る見通しだ。

 チームは今季、ブラジル人のセホーン監督と、元日本代表FWの呂比須ヘッドコーチの二頭体制でスタートし、低迷するきっかけを作った。失敗を踏まえ、来季は実績のある日本人監督を招く方針。長谷川氏は以前から監督候補者リストに入っており、調査を進めてきた結果、有力候補として白羽の矢が立った。

 この日、梶居強化本部長は補強も含めた来季編成について「基本的には1日(の最終節)が終わってから」と話すにとどめた。一方、今季途中から指揮を執る松波監督は、来季の続投要請の有無について「まだ、そういう話はもらっていない」と説明。同監督は、コーチ職に戻る可能性が高い。

 本拠地最終戦となったこの日の東京戦は、FW家長の2ゴールで一時は逆転しながら痛恨の引き分け。遠藤、今野ら日本代表を擁しながら、残り1試合でJ2降格圏16位から抜け出せず、クラブ史上最大の危機に直面した。

 長谷川氏は05年から6年間、清水を率い、上位争いを繰り広げてきた。選手からの人望が厚い指揮官としても知られる。仮にJ2降格した場合でも、長谷川氏招聘(しょうへい)に成功すれば、主力の大量流出に歯止めがかけられる。