ロンドン五輪代表FW永井謙佑(23=名古屋)がベルギー1部のスタンダールに移籍することが15日、決定的になった。同クラブはリーグ優勝10回のベルギーの名門で、日本代表GK川島永嗣(29)も在籍している。現在リーグ5位。後半戦の巻き返しに、ロンドン五輪で2得点を挙げ日本を4強へと導いた快足ストライカーに白羽の矢を立てた。

 永井は名古屋とあと1年契約を残しているが、獲得に乗り出したスタンダールは80万ユーロ(約9200万円)の移籍金を準備しているという。関係者によれば、これは名古屋が永井流出に備えて設定している移籍金を上回る額。ロンドン五輪で世界を驚かせた永井は名古屋への愛着を口にしているが、同世代が欧州で活躍していることもあり、海外での新たな挑戦に興味を抱いているという。

 名古屋側は、50メートル5秒8の圧倒的スピードを持つ永井を日本の宝と考えている。移籍は痛手だが、永井の将来を見すえ、交渉のテーブルには着く見込み。移籍金の問題もないだけに、クラブ間交渉はスムーズにまとまり、完全移籍でスタンダールの永井誕生の運びとなりそう。永井は近日中に施設見学などのため、現地に渡るようだ。

 ◆スタンダール・リエージュ

 1900年創立。ベルギー南部リエージュのモーリス・デュフラン・スタジアム(約3万人収容)が本拠地。リーグ優勝は10回。昨季はリーグ4位、プレーオフの末に欧州CL、欧州リーグともに出場権を逃した。レドニク監督。