<J1:清水1-0磐田>◇第6節◇13日◇アイスタ

 今季2度目の静岡ダービーは、清水に軍配が上がった。後半35分、右からのクロスに静岡ダービー過去3戦2発を誇る「磐田キラー」のMF村松大輔(23)が合わせて決勝点を挙げた。この1点を公式戦2戦連続完封中の守備陣が守り切り、今季ホーム初勝利をつかんだ。

 勝負を決めたのは、またしてもMF村松の一撃だった。0-0で迎えた後半35分、FKのこぼれ球を拾ったDFカルフィン・ヨンアピン(26)の右クロスに中央で待ちかまえた村松が頭でたたき、ゴールネットに突き刺した。今季ホーム初勝利を呼び込む、貴重な決勝点。「ずっと悔しい思いをさせてしまっていたので…」。看板を跳び越え、ゴール裏で待つサポーターの中に飛び込み、喜びを分かち合った。

 村松は、昨年10月のリーグ戦でも決勝点を決め、今季開幕前のプレシーズンでもFKのこぼれ球を押し込み、チームをいずれも1-0の勝利に導いた。普段は守備の意識が高い村松だが、過去3戦2発と静岡ダービーではなぜか抜群の嗅覚を発揮してきた。

 この日も「磐田キラー」ぶりは健在だった。ゴールシーンを振り返ると、ヨンアピンのクロスは1度相手DFの足に接触してコースが変わっている。磐田守備陣はコースが変わる前の軌道を読み、ニアサイドへと移動。しかし、全く動かなかった村松のもとにボールは舞い込んだ。村松自身も「何か動かずに待っていれば来ると思った。ダービーだからですかね?」と笑った。

 これで鳥栖戦に続き2連勝。さらに、ホーム初勝利を宿敵・磐田から奪った。村松は「やっぱりダービーは特別な試合。チームが浮上していくいいきっかけになると思う」。伝統の一戦を制してつかんだこの1勝を、巻き返しの1歩とする。【前田和哉】