右手を骨折中の清水DF吉田豊(23)がリーグ再開となる6日のアウェー名古屋戦に強行出場する。3日は、小雨が降る中で約1時間半の調整に励んだ。御殿場キャンプ中に負傷した患部には、現在もボルトが入っている状態。完治には至っていないが「多少の不安はあるけど、出場するために準備をしている。残り2日間で万全の状態を整えていきたい」と、先発ピッチだけを見据えている。

 言葉だけでなく、この日行われた紅白戦では主力組の右サイドバックでプレー。積極的な攻撃参加を何度も仕掛け、正確なクロスからMF河井陽介(23)の得点もアシストした。定位置できっちり存在感を示す吉田について、アフシン・ゴトビ監督(49)は「問題はない」と太鼓判を押す。吉田自身も「コンディションは最高に良い」と、手応えは十分のようだ。

 チームは、中断期間中にMF六平光成(22)やFW伊藤翔(24)が台頭。状況に応じて前線の選手が中断前から変動する可能性がある。コミュニケーション不足が懸念されるが、吉田は「練習で各自の特徴もつかめているし、連係面に問題はない」ときっぱり。

 名古屋戦は、9位からの巻き返しに向けた第1歩として、重要な一戦になる。「勢いに乗れるか乗れないかの特別な試合。出るからには、けがは言い訳にならない。がんがん前に仕掛けて、勝ち点3にこだわっていく」と吉田。頼もしく“再開ダッシュ”を誓った。【前田和哉】