<J2:札幌3-0鳥取>◇第26節◇27日◇札幌ド

 エースの3連発で札幌ドーム3カ月ぶり勝利!

 札幌が鳥取を下し、同ドームでは4月14日の徳島戦以来の白星を挙げた。Jリーグ通算250試合目のFW内村圭宏(28)が、1-0の後半3分に、自身初の3試合連続ゴール。DF陣も奮闘し、クラブ記録タイとなるホーム4戦連続完封勝利を飾った。勝ち点を38に伸ばして8位に浮上。プレーオフ圏6位との勝ち点差を3に縮めた。

 内村が量産態勢に入った。1-0の後半3分、GK杉山のロングキックをFW三上がヘッドで競ってこぼれたボールに右サイドバック日高が反応。猛然と右サイドを駆け上がり、ゴール前に走り込んだ内村に、矢のようなクロスを入れた。「低くて早いクロスがくれば後は触るだけ。イメージ通りのボールが来た」。DF2人を振り切り、軽くジャンプして左足で合わせると、ボールは狙い通りゴール左隅に突き刺さった。

 これでチームトップ8点目。今季序盤は腰痛や体調不良でペースが上がらなかったが、財前監督も「背後への動きが引き続きできていて、かなりいい状態になった」とエースの好調を喜んだ。内村には、これがJ通算250戦のメモリアル。クラブのJ2ホーム350号というおまけもつき「点が入ると気持ちも上がる。これを続けていきたい」と前を向いた。

 ルーティンワークを崩すことで、殻を打ち破った。札幌加入後、オフにジンギスカンを食べ充電することを“儀式”にしてきたが、マイナーチェンジした。14日の東京V戦前は“点を取りに行く”という暗示をかけるため鶏肉を食べて1得点を挙げた。それでも試合には負けたため、20日の松本戦前は大好きな肉を封印して2戦連発。連発のご褒美に、鳥取戦前のオフは、恒例の“生ラム充電”を復活させ、プロ生活11年目にして、初の3試合連続ゴールにつなげた。

 主将の河合が負傷離脱してからはゲームキャプテンとしても奮闘。チームの支柱として「下位相手だからやれている部分もある。もう少し立ち上がりとか詰める必要がある。喜びつつも、もっと練習で磨ける部分はある」と課題も挙げた。今季の最低目標15得点の半分を超えた。8月4日の富山戦では、札幌の日本人選手初となる4戦連発に挑む。【永野高輔】