<天皇杯:山形2-2(PK9-8)富山>◇7日◇2回戦◇NDスタ
J2山形は富山と120分間で2-2と決着がつかずPK戦へ。12人目まで突入する激戦で、GK常沢聡(28)が3本を止める活躍を見せた。
GK常沢のビッグセーブが、崖っぷちの山形を救った。2-3で迎えたPK戦の5本目。決められた瞬間に敗退が決まる重圧の中、守護神は「後悔のないように」と直感を信じた。迷いなく左に跳び、富山DF舘野のシュートを長い手でセーブ。2度のビハインドを追いついて持ち込んだPK戦も“延長”に突入。本当の見せ場はここからだった。
1本ストップし、相手キッカーの傾向をつかんでいた。3本目までは逆を突かれていたが「利き足と逆に蹴ってくる」。6本目以降はほぼ読み通りで、迎えた10人目。右利きのMF苔口のシュートを右に跳んで防いだ。2巡目となった12人目のMF白崎も右利き。1本目を決められた方向に跳んで防いでみせた。
PK戦のないリーグ戦中も準備していた成果だった。全体練習の後は毎日のようにFW林と2人で特訓。東京時代も日本代表GK権田と「遊び感覚でやっていた」という。自らも11人目のキッカーとして順番が回ってきたが、冷静に成功させ「3本止めたのも、自分で決めたのも初めて」。前橋育英高3年時の全国選手権以来というPK戦で、勝負強さを見せつけた。
ファインセーブにも表情を変えなかった守護神だが「帰ったら、奥さんと『やったぁ』って喜ぶと思います」と笑顔を見せた。今年5月に長男の治人(はると)くんが誕生。守るものが1つ増えた。「将来、息子のシュートを僕が止める。それが夢です」という常沢が、GK最大の見せ場で輝きを放った。【鹿野雄太】



