<ACL:アルシャバブ2-2柏>◇準々決勝◇18日◇リヤド

 日本勢最後のとりで、柏がクラブ史上初の4強入りを果たした。アルシャバブ(サウジアラビア)と引き分け、2戦合計3-3と並び、アウェーゴール数で進出した。ネルシーニョ監督(63)の辞意騒動や、長距離移動、気温40度を超える過酷なアウェー戦を乗り越え、日本勢では09年名古屋以来のベスト4をつかんだ。準決勝(25日、10月2日)では、昨季敗れた広州恒大(中国)相手にリベンジマッチに挑む。

 最後までピッチに立っていたのは、アウェーの柏だった。試合終了の笛がなると、地面に倒れ込んだのはアルシャバブの選手たち。その姿を横目に、歓喜の抱擁を繰り返した。ネルシーニョ監督も両手で何度もガッツポーズ。遠路駆け付けたサポーター席にも、感謝の視線を向けた。

 長距離移動も、40度を超す暑さも、第1戦の痛いドローも、すべて乗り越えた。前半10分に先制を許しながら、3分後にMF栗沢の右クロスが、相手DFの処理のミスを誘い、オウンゴールで同点に。後半28分に勝ち越し点を決めた近藤は「レイソル全体で僕らをサポートしてくれた」とクラブ全体の勝利を強調した。

 ACL初出場の昨季は、アウェーで1勝3敗。その苦い経験を生かした。今季は先乗りスタッフが徹底して現地調査。今季はアウェー4勝1分け。今回も3日も前に現地入りし、時差調整。眠くなる時間に全員で観光地を散歩した。ガムで口を潤し、アメで塩分補給。湿度8%とカラカラの天候でも選手たちの体力、集中力は切れなかった。

 辞任騒動が、かえってチームを1つにした。1-3で敗れた8月31日の鹿島戦後、ネルシーニョ監督が突然の辞意表明。チーム崩壊の危機だった。その時、主将のMF大谷が選手ミーティングで呼び掛けた。「やるのは選手」。チーム全員がその言葉を口にした。さらに数日後、元サヤに収まった指揮官に対し、何らしこりを残さなかった。日本代表合宿でチームを離れていたFW工藤が言う。「選手が1つになれることを見せてくれて、すごく頼もしかった。自分がまた入っていくのが楽しみになった」。愛するレイソルの結束力が、何とも誇らしかった。

 厳しいアウェー戦を制し、4強の扉をこじ開けた。アジアの頂点まであと2つ。準決勝は昨年屈した広州恒大に挑む。その先には、2年ぶりのクラブW杯も視野に入る。「僕を成長させてくれた場所」(工藤)という夢の舞台へ。チーム一丸となった柏は、歩みを止めるつもりはない。