<J2:G大阪3-1富山>◇第37節◇20日◇万博
G大阪が“奇策”でJ1復帰に近づいた。日本代表の欧州遠征から帰国したばかりのMF遠藤保仁(33)を本職の守備的MFではなく、初めてFWで先発起用。捨て身の采配がカンフル剤となって富山を退け、9月15日水戸戦以来約1カ月、4試合ぶりの勝利を挙げた。首位神戸と2位G大阪の2強は、最短で11月3日にJ1昇格が決まる。
不振にあえいだG大阪が「FW遠藤」で1カ月ぶりに勝った。雨が落ち、肌寒い本拠地万博。宇佐美とともに攻撃の最前線に立ったのは、守備的MFが本職の男だった。これまで得点が欲しい時間帯に前線に入ることはあっても、先発FWは初めて。公式記録上も位置は「FW」。相棒宇佐美の周りを流動的に動きながら、慣れない位置で攻撃を活性化させようと奮闘した。
起爆剤が必要だった。J1昇格を目前にしながら、8月25日横浜FC戦からの6戦は1勝2分け3敗と勝ち星に見放された。流れを変えるためにこの日は遠藤だけでなく、DF今野も本職のセンターバックを離れてボランチへ。長谷川監督は「彼(遠藤)の攻撃力を生かしたいという狙い。前線で落ち着く、起点になる選手が欲しかった」と説明。大胆采配が功を奏してか、9月15日水戸戦以来、約1カ月ぶりの勝利を飾った。
誰もがあっと驚く奇策にも、当事者の遠藤はいつものように冷静沈着だった。
「あれはFWじゃないですよ~。そういう感じでやってはいない。ポジションはあって、ないような…。そんな感じです。中盤でもなければ、FWでもない」
自由なポジションだったことを強調したかったのだろう。それでも最短で11月3日の次々節熊本戦(万博)に昇格が決まる状況になり、表情が引き締まった。
「決まるまで安心しちゃいけない。(3位京都との)直接対決もありますし、次の徳島戦も大事です」。前節まで愛媛、栃木に2連敗。格下に敗れ、遠藤だけでなく、今野にも慢心や油断はなくなった。「情けない試合が続いていた。今日は自分にも重圧をかけて臨みました。まだ満足はしていないです」。心から喜べる日は目の前だ。それまで最高の笑顔はとっておく。【益子浩一】



