胆のう炎で入院中の横浜MF中村俊輔(35)が、10日の名古屋戦(日産ス)を欠場することが6日、決まった。チームは横浜市内で練習したが、中村の姿はなし。04年以来のリーグ制覇へ首位を走る中、今季初めて司令塔抜きでリーグ戦に臨むことになった。

 中村は1日の練習中に腹痛を訴え、川崎市内の病院に入院。入院翌日から3日間絶食し、点滴だけによる治療を続けた。前日5日から病院食を食べ始めたが、退院のめどは立たず、樋口靖洋監督(52)は「彼のこれまでの貢献ぶりを考えれば痛い。セットプレーでも質が変わる」と吐露。DF中沢も「大打撃。ぶっちゃけ最悪」と自分のことのように肩を落とした。

 チームスタッフによれば、中村の体重は約3キロ減り、筋力も落ちているという。樋口監督は「急に負荷をかければケガにつながる。体重、体脂肪などのデータを見ながら徐々にやらなければ」と、練習復帰後も慎重に状態を見極める方針だ。10日の名古屋戦後は23日の磐田戦まで試合がなく、今週中に退院できれば磐田戦で復帰できる見込みだが、調子を取り戻すには時間がかかりそうだ。

 名古屋戦は中村の代わりに、トップ下にMF中町が入り、DF富沢とMF小椋のダブルボランチで挑む見通しだ。「中村がいなくても、いないなりにやる」と樋口監督。残り4試合、2位浦和との勝ち点は2差という最終局面で起きた緊急事態を、チーム一丸で乗り切る。【由本裕貴】

 ◆今季の横浜中村

 リーグ戦は開幕から全試合に先発。先月27日の大分戦では直接FKで決勝点を挙げ、欧州時代も含めて自己最多となるシーズン10得点目をマークした。直接FK4点、直接CK1点と、特にセットプレーでは欠かせない存在だ。ナビスコ杯にも予選から全10試合に出場し2得点。天皇杯にも1試合に出場し、まさに大車輪の活躍を見せている。