右太もも裏痛で離脱していたJ2札幌MF荒野拓馬(20)が21日、札幌宮の沢でのチーム練習で完全復帰した。プレーオフ進出をかけた24日の最終北九州戦(札幌ドーム)は、ベテランMF砂川が出場停止、岡本が左膝痛で負傷離脱中とサイドハーフ陣が手薄な状況。公式戦3戦ぶり出場が濃厚で、決戦に向け「100%出して、点も取ってプレーオフ進出に貢献したい」と誓った。

 この日の練習後は、酸素カプセル、マッサージなどメンテナンスに3時間半かけた。「今回は特に慎重に」。10日の神戸戦は先発出場し1-0勝利に貢献も、強行出場の影響で痛みが増した。17日のリーグ岐阜戦、20日の天皇杯甲府戦を欠場し照準を合わせてきただけに、万全のケアで大一番に備えた。

 ユース所属ながらトップ登録していた11年12月3日の最終東京戦は、昇格の瞬間をスタンドから眺めていた。「うれしさより悔しさの方が強かった。今度こそ、あそこに出ていた人の気持ちをピッチで感じたい」。プロ初ゴールを含む今季4得点すべてホームで決めてきた本拠地男が、勝負の一戦で、2年前の雪辱弾を奪いにいく。【永野高輔】