鹿島の日本代表FW大迫勇也(23)が、年明けにもブンデスリーガ2部の1860ミュンヘンへ移籍する可能性が出てきた。水面下で交渉を進めており、帰省前の成田空港で「両親と話し合ってから決めます」。故郷鹿児島で移籍の決意を固める考えを明かした。

 1860ミュンヘンは、今季19戦終了時点で8位。わずか18得点と攻撃陣に課題があり、11月の欧州遠征で強豪オランダから1得点1アシストを記録した23歳に白羽の矢を立てた。「行くか行かないかでしょ」と言う大迫は、ブンデスリーガ視察から帰国後の23日から、強度の高い練習を続けており体調は万全。年明けには母校・鹿児島城西の初蹴りに参加予定だが、移籍が決まれば、早ければ来年1月6日にも離日する。

 W杯を目前に控えての移籍には、出場機会の減少や戦術の違い、言葉の壁などリスクが伴う。それでも、この時期に移籍する理由については「言えないんだよなあ」とけむに巻いた。昨年はロンドン五輪予選で活躍しながらも、本大会直前に代表落ちするなど辛酸をなめた。そんな挫折を乗り越え今季ブレークした男が、勝負の年に大きな決断をすることになりそうだ。

 ◆1860ミュンヘン

 独ブンデスリーガ2部で現在勝ち点28の8位。名前の通り1860年創設で、本拠地は欧州屈指の名門Bミュンヘンと同じアリアンツ・アレーナ。今季から指揮を執るフリードヘルム・フンケル監督は、ボーフム時代に日本代表MF乾貴士(現フランクフルト)を指導。