<J2:熊本2-1福岡>◇第1節◇2日◇うまスタ

 「ニュー熊本」がホーム開幕戦で白星を飾った。元日本代表コーチで広島でも監督経験のある小野剛新監督(51)のもと、生まれ変わったチームが福岡に勝利。元日本代表のFW巻誠一郎(33)をはじめ新戦力が活躍するなど、新体制で臨んだ今季、最高のスタートを切った。

 開幕戦から、うまくかみあった。小野新監督のもくろみが当たった。熊本がホーム開幕戦で勝利。指揮官も選手も新体制で迎えた今季に、スタートからその成果が出た。

 小野監督が福岡を分析し、メンバーを組んだ。「いろんなパターン、組み合わせをテストマッチで試してきた。福岡さんの特徴を見て、前線から激しいプレスをかけてボールを奪って、しっかり回していくサッカーができる選手を起用した」。2点目を決めたDF園田は愛媛でセンターバックだったが、移籍後右サイドバックで起用した。「攻撃もできる選手だし、スタミナもある。左右のキックもある」と小野監督の「眼力」に間違いなかった。

 元日本代表のベテランFW巻には「前線からの守備」を課した。「攻守の切り替えの先頭に立ってみんなをリードしてくれた」とたたえた。地元に帰ってきた巻も「みんなが動くから、自分も動かないといけないんです」と移籍後初ゲームでの白星に満足げだった。

 小野監督は選手に自信を付けさせることを重点にチームを改革した。開幕戦でも前半はベンチに座ったまま。「押し込まれるシーンもあったけど、私がじっとしているから選手たちは自分たちがやってきたことに間違いないと自信をつけてくれた」。掌握術も功を奏した。

 選手に高いレベルを教え込んでの開幕白星。「選手に感謝したい」。小野監督のチャレンジは最高のスタートで幕が開けた。【浦田由紀夫】