<J1:仙台4-3神戸>◇第12節◇6日◇ユアスタ

 仙台がホームで神戸に逆転勝ちし、今季初の連勝を飾った。前半で0-2とされたが、後半10分にウイルソン(29)のPKで1点を返すと攻撃陣が爆発。3-3の後半31分、FW武藤雄樹(25)の今季初ゴールで決着をつけた。11試合でわずか5得点だったチームが後半だけで4発。昨年10月19日以来のユアスタでの勝利をつかんだ。

 待ちに待った瞬間が訪れた。半年以上も遠ざかっていたホームでの白星に選手、スタッフは拳を突き上げた。1万2945人のサポーターは勝利の歌を響かせた。0-2からの逆転勝ちに、渡辺監督は「前半の戦いは大いに反省しなければならないが、選手自身が気づいてスイッチを入れ直してくれたのはすばらしい」。奮闘をたたえた指揮官の目は、少し赤かった。

 ゴールラッシュを締めくくったのは武藤の左足だった。GK関からのロングフィードに猛然と走り込み、逆サイドへ冷静に流し込んだ。念願だったユアスタでのリーグ戦初得点に「憲太郎さん(関)を信じて動いた。最高に気持ちよかった」と笑顔が絶えなかった。

 自身初の決勝点は、昨オフに結婚したばかりの麻依子夫人(27)への感謝のゴールでもあった。明るい性格の武藤も、結婚前は自宅で「テレビとしゃべってましたね」と1人寂しく過ごしていた。だが、今は違う。「食事も頑張って作ってくれるし、本当にありがたい。支えてくれているから今年は結果も出ていると思う」。夫人が初めて観戦に訪れた試合で最高の雄姿を見せた男は、ゴール直後に左手の薬指にキスをした。

 初物ずくめの1勝だった。無得点と苦しんでいたウイルソンに待望のゴールが生まれ、MF太田も約1年ぶりに決めた。先制された試合をひっくり返したこともなかった。武藤は「3失点は仙台らしくない」と気を引き締めたが、打ち合いを制してのホーム初勝利。得点力不足に悩まされていた仙台が「取られても取り返せる」という大きな自信をつかんだ。【鹿野雄太】