<J1:徳島0-0東京>◇第13節◇10日◇鳴門大塚

 日本代表の東京DF森重真人(26)が「変幻自在」の守備を披露した。徳島相手に無得点のまま攻めあぐねた後半10分、4バックから急きょ3バックに変更。3-4-3の布陣で勝ち越しゴールを奪いに出た。3バックの左に入った森重は、チームが前掛かりになる中で「失点をしないことを一番に考えた」。布陣変更にも混乱することなく、無失点で終えた。

 攻撃に出れば出るほど背後にリスクは生まれる。そこを常にケアするのが3バックの役割。「じれてバランスを崩してカウンターを受けるのが一番良くない。そうならないよう声を出していた」。中央に入った高橋との距離感を保ちつつ、左ウイングバックの太田の位置も気にかけ、最後まで崩さなかった。

 この布陣は、日本代表ザッケローニ監督がオプションとしてこだわり続けている。くしくも同じイタリア人であるフィッカデンティ監督のもと、能力を発揮したことは偶然ではない。森重が頭の中で描く同布陣は「根本的なやり方は(代表も東京も)一緒。相手のサイドが上がれば、こちらのウイングバックを下げればいい。相手の人数に合わせて、変幻自在に守ることができる」。試合後、簡単に言ったが、実際は難しい。

 W杯でも「攻めないといけないけど、失点もできない」という状況は必ずある。世界レベルでは未知数ではあるが、メンバー発表直前に見せた人並み外れた適応力は、日本の力となる。【栗田成芳】