<ナビスコ杯:仙台1-0G大阪>◇1次リーグ◇28日◇ユアスタ
仙台はホームでG大阪を破り、中断前最後のユアスタでの試合を勝利で飾った。0-0の後半21分、左サイドをDF二見宏志(22)が突破し、最後はFW赤嶺真吾(30)が頭で先制ゴール。約1年6カ月ぶりにベンチ入りし、後半ロスタイムから出場したDF上本大海(31)の復帰戦を祝った。
誰もがこの時を待っていた。後半ロスタイム。「ピッチに立つ日を待ってた29」の横断幕を掲げた7965人の大声援に後押しされ、上本が567日ぶりに帰ってきた。12年11月に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、2度の手術を乗り越えた男は「ユアスタでサッカーができて楽しかった。緊張したけど最高でした」と笑顔。直接プレーに関わる場面は少なかったが、勝利の瞬間に立ち会った。
復帰を祝ったのは鹿児島実高の後輩のゴールだった。後半21分、DF二見の左クロスをDF菅井が折り返し、最後は赤嶺がダイビングヘッド。執念の一撃に「大海さんはリハビリ中もつらい姿は見せなかった。絶対に相手より先に触ろうと思った」。上本は「いい後輩です」と感謝した。
過酷な日々だった。開幕前のキャンプに同行し、リハビリに励んでいた上本がつぶやいた。「仙豆(せんず)が欲しいな」。漫画ドラゴンボールに登場する、1粒食べれば一瞬で負傷が全快する架空の豆。明るく振る舞っていたが、再発の恐怖と戦い続けていた。
自らの膝と戦いながら、渡辺監督らスタッフや選手たちに助言するなど常にチームを最優先に考えてきた。「1年半、いろんな方が力を貸してくれた。もっと上を目指していきたい」。上本が恩返しへの第1歩を踏み出した。【鹿野雄太】



