<J1:仙台3-3名古屋>◇第16節◇23日◇ユアスタ

 仙台はホームで名古屋に引き分けた。前半19分、MF武井択也(28)のスルーパスからFW赤嶺真吾(30)が右足で決め先制。後半にはDF菅井直樹(29)とDF二見宏志(23)が今季初ゴールを決めたが、ロスタイムに追いつかれた。また、2種登録のU-17日本代表MF佐々木匠(仙台ユース)が、クラブ史上最年少の16歳3カ月でベンチ入りを果たした。

 ベガルタを負けさせない男・武井が、いきなり魅せた。前半19分、倒れ込みながらも前線へスルーパス。オフサイドぎりぎりで抜け出した赤嶺が右足で先制点。待望の移籍後初アシストで、流れを呼び込んだ。

 “恩師”から学んだ攻めの姿勢を、目の前で見せた。武井はG大阪に入団してから4年間、名古屋の西野監督から指導を受けた。流通経大時代から守備には自信があったが「守れればいいと思っていた自分のサッカーを大きく変えてくれた」と振り返る。攻撃的サッカーを掲げ、ボランチの位置から常に縦へのパスを要求された。10年には主力に抜てきされ、貴重な経験を積んだ。感謝の思いは仙台に来ても忘れていない。「下手でもトライすればいいと教えてもらった。勝負を分けるようなパスを出したい」。宣言通りの見事なラストパスだった。

 後半の2得点も、攻撃的な守備の選手から生まれた。21分、MF梁のFKから菅井が今季初得点。37分には、途中出場の二見が頭でプロ初ゴールを決めた。だが、終了間際に警戒していた名古屋MFレアンドロ・ドミンゲスに決められ、2試合連続のドロー。渡辺監督は「3度リードしながら勝ち点1しか取れなかったのは痛いが、柏戦で見せられなかった点を取る姿勢は表現できた」と話した。