<J2:山形2-1札幌>◇第27節◇17日◇NDスタ

 札幌は山形に敗れ、今季初の4連敗となった。前半1分にFW内村圭宏(29)のゴールで先制も、PKで2失点し、逆転負けを喫した。J2での4連敗は05年以来9年ぶり。山形戦は、05年9月14日の対戦以来13戦ぶりの黒星となった。勝ち点を伸ばせず、順位を13位に落とした。

 トンネルから抜け出すことはできなかった。後半ロスタイム、DFラインから上がってきたパウロンがゴール前に飛び込み右足を伸ばすが、最後はGK山岸に阻まれノーゴール。決死のパワープレーも、結果は勝ち点ゼロに終わった。財前恵一監督(46)は「後半は、押し込もうと選手が頑張ってくれていたが。残念な結果になり申し訳ない」と険しい表情で振り返った。

 PKでの不運な2失点だった。1-0リードの前半ロスタイム、相手右CKにGK李が飛び出したがボールに触れず、こぼれ球を防ごうとスライディングしたDF奈良の左手に、山形FWディエゴのシュートが当たった。6月のW杯ブラジル大会開幕戦で笛を吹いた西村主審は迷わず、ハンドの判定を下した。奈良は「手をついたところに当たってしまった。僕としては不運というしかないが、セットプレーは、いろんなことを想定しなければいけなかった」と悔やんだ。

 さらに1-1の後半18分、相手クロスがゴール前にこぼれた瞬間、山形MF松岡が走り込みシュートを放ったところに、DF石井が止めようと足を伸ばした。「自分はボールにいったつもり。シュートブロックにいって、ボールに当てた。それが少し足に当たってたかどうかはビデオを見直してみないと何ともいえない」と石井。このプレーを西村主審はファウルと判定し、PKを再びディエゴに決められ逆転負けを喫した。

 痛い4連敗とはなったが、次節に向けたプラス要素もある。左すねの肉離れで離脱していた主将の河合が後半29分から途中出場。4戦ぶりに戦列復帰を果たした。残りは15試合。プレーオフ圏との勝ち点差は6となったが河合は「戦っていない選手はいない。1試合1試合、当たり前のことから、しっかりやり直していくこと」と前を向いた。苦しいときこそ、結束を固め、全員で乗り越えていくしかない。【永野高輔】