連敗中の清水のFW大前元紀(24)が29日、公式戦4戦連続ゴールを誓った。今日30日のアウェー鳥栖戦に向けて非公開で最終調整を行ったこの日、左膝を負傷中のMF河井陽介(25)、右内転筋を痛めているMF杉山浩太(29)の欠場が決定。DFイ・キジェ(23)も出場停止で主力を欠く苦しい一戦で、エースが3連敗を阻止する。

 FW大前の表情が、ぐっと引き締まった。公式戦4戦連続ゴールが懸かった鳥栖戦に向け、非公開調整で準備を終えると「(連続得点を)特別意識することはないけど、FWとしてゴールを目指すのは当然のこと。チームが勝つために狙っていきたい」と、自らに言い聞かせるように話した。

 チームの窮地を救うつもりだ。この日、MF河井とMF杉山の負傷欠場が決定。DFイも前節鹿島戦の退場により出場停止と、相次ぐ主力の離脱に加えてFWノバコビッチ(35)も右足に張りを抱え、万全には遠い。大前は「人がいないことを言い訳にしたくない。そのためには勝つしかない。より結果にこだわっていかないと」と、総力戦必至の状況もエースを奮い立たせる。

 立ちはだかる鳥栖のGK林彰洋(27)は、昨季までのチームメートで、流通経大柏高の先輩でもある。林は今季リーグ最少17失点と堅守を見せ、前日28日に発表されたアギーレジャパンにも選出された。今季2度の対戦では、無得点に抑えられただけに「最少失点だろうと、点を取らなければ勝てない。代表GKから取れれば、個人的にも価値のあるゴールになる。そろそろ決めないとね。調子に乗ってると思うから(笑い)」と、難敵撃破に燃える。

 現在チームは13位と低迷し、降格圏の16位C大阪との勝ち点差はわずか4。大榎克己監督(49)就任後も、1勝3敗となかなか結果が出せていない。大前の一撃で、残留争い脱出への1歩を記す。【前田和哉】