<ナビスコ杯:G大阪3-1川崎F>◇準決勝◇9日◇万博

 G大阪が7年ぶりのナビスコ杯制覇に前進した。ホームで川崎Fに先勝した。金髪を黒に変えたエースFW宇佐美貴史(22)が今大会3戦連発。FWパトリック(26)も約50メートルのドリブル突破から公式戦3連発だ。日本代表に招集された選手がいないため、ベスト布陣で決勝進出に王手をかけた。

 妻の制止を振り切り、DFまで振り切った。1点リードの前半28分。トレードマークの金髪を黒に染めた宇佐美が、ゴールに向かって一直線に走り込んだ。相棒パトリックからボールを奪うようにして強引にドリブル突破。目の前のDFをあっさりと抜き去って、最後は左足で決めた。

 「奥さんからは金髪のままでいてほしいって言われたんです。(ピッチで)目立たないから。でも、季節が落ち着いてきたんで、髪も落ち着かせました」

 タレントの蘭夫人(23)の言うことは聞かず!?

 7日の練習後に黒髪に変身。外見だけでなく、プレースタイルにも変化をつけた。リーグ戦は2戦連続無得点に終わり、長谷川監督から「ゲームメークに逃げていると得点が減る」と指摘された。下がり気味になるポジションを修正。強引なまでに得点にこだわった。宇佐美が決めれば今季公式戦13戦無敗だ。

 「いつもパトが(得点機を)邪魔するから、前にキレたんです。俺が前を向いたら、俺の方が(シュート)できる。それがあったから、今日は譲ってくれた」

 その相棒も後半4分に自陣から約50メートルを突破する豪快弾を決める活躍だ。長谷川監督は「次に向けてまたいい準備をするだけ」と慎重だが、3冠を狙うチームは公式戦8連勝で12戦不敗(10勝2分け)。実りの秋に突入した。【益子浩一】