<J2:湘南1-2長崎>◇第37節◇19日◇BMWス

 初優勝したJ2湘南が、Jリーグ初の「シャーレ・ツアー」を行う。前節のアウェー戦で優勝を決めた湘南は長崎に敗れたが、試合後の表彰式でJリーグから優勝シャーレ(銀皿)を贈られた。初優勝に地元もヒートアップ。全日程終了後の11月24日に平塚市で行うパレードに続いて、同25日には全選手がシャーレとともにホームタウンの6市3町を訪問することも決まった。2位松本と3位磐田はともに引き分け、勝ち点差8は変わらなかった。

 試合直後は厳しい表情だったMF永木亮太主将(26)が、笑顔でシャーレを掲げた。サポーターの歓声をバックに、選手が雄たけびをあげる。JFL時代の93年以来のリーグ制覇。94年にJ入りしてから初の優勝に、お祭り騒ぎも最高潮。「これを目指してやってきたから。最高です」。永木が言った。

 試合は敗れた。前半で今季初めて2点のリードを許した。後半、DF島村が1点を返し、その後も猛攻をしかけたが届かなかった。ホーム初黒星で、今季2敗目。連続負けなし記録も22試合でストップした。それでも、優勝は「積み重ね」(チョウ監督)。価値は変わらない。表彰式後にはサポーターがチョウ監督と真壁会長、大倉社長を次々と胴上げ。「うるっときた」と、大倉社長はしみじみ話した。

 初優勝で地元も盛り上がる。全日程終了後の11月24日に平塚でパレードを行った翌日には、全選手がシャーレとともに平塚市以外のホームタウン、6市3町を訪問する前代未聞の「シャーレ・ツアー」が計画されている。前回の優勝時はホームタウンは平塚市だけだったが、00年に7市3町に拡大。Jクラブには珍しい複数ホームタウンだから、初の「ツアー」になる。

 当日は午前9時にクラブハウスをバスで出発し、茅ケ崎市、藤沢市と回り、最後の大磯町に午後4時45分に到着予定。各自治体では20分間の時間をとり「表敬訪問でも記念撮影でも、何でも要望に応える」と真壁会長は話した。シャーレ自体を、各自治体に月替わりで展示するプランもある。地元サポーターに支えられてJ2を制した湘南が、シャーレを地元に還元する。【荻島弘一】

 ◆湘南のシャーレ・ツアー

 午前9時にクラブハウス(平塚市)を出発。茅ケ崎市→藤沢市→寒川町→厚木市→伊勢原市→秦野市→小田原市→二宮町→大磯町→クラブハウス(午後5時過ぎ)。全行程約100キロで、8時間かかる予定。車で予行演習した真壁会長は「国道246号の渋滞さえなければ、予定通りにすべて回れるはず」と話す。