ペルー1部の試合でまさかの出来事が起きた。

 後期リーグ首位を走るスポルティング・クリスタルがフアン・アウリッチをホームに迎えた1戦。2-2の後半24分だった。

 スポルティングがフアン・アウリッチのゴール前へ攻め込んだ。だがフアン・アウリッチGKガリェセはゴール前へ飛んできたクロスを軽快にジャンプしながらキャッチ。すぐさまカウンターを狙い、味方選手へ向けて低いゴロのキックを蹴った。

 だが、エビア主審が同GKのゴールキックから目を離していたのが不運だった。ボールはバウンドしながら同主審のかかとに当たり、まだ相手陣内深くに残っていたスポルティング・クリスタルFWアビラのもとへコロコロと転がった。

 同FWがこの主審からの「アシスト」をダイレクトで相手ゴールに蹴り込み、チーム3点目となるゴールを挙げた。かつてスポルティングを率いていたフアン・アウリッチのモスケラ監督もぼうぜん。だが主審はグラウンドの石と同じなわけだから当然、判定は覆らない。

 試合はそのまま3-2でスポルティングの勝利。同クラブは後期リーグ6勝2分けとし、無敗での首位をキープした。

 面白いのは、英メトロ紙(電子版)が「悪いのはGKか主審か」というアンケートを実施したところ、90%の読者が「GK」と回答したこと。

 カウンターを狙うのはよいが、まだ攻め残っていた相手選手や主審が近くにいる中で、低いゴロのキックを蹴ったGKの判断ミスだとした読者がほとんどだった。

 ただ、読者がGKのミスと判断するプレーだったとしても、エビア主審にとってばつの悪いものだったのは間違いない。ゴール直後には「悪い、悪い」と言わんばかりに両手を挙げて謝罪のポーズを見せていた。

 W杯や欧州選手権を裁く主審が「オレが間違えるわけがない」といった態度なのとは対照的な、エビア主審のどこか憎めないコミカルさに、会場全体は「しゃーねぇな」という苦笑いに包まれていた。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)