<欧州CL予選3回戦:スタンダール2-1パナシナイコス>◇5日◇アテネ

 日本代表GK川島永嗣(31)が所属するスタンダール(ベルギー)は、アウェーでパナシナイコス(ギリシャ)に逆転勝ちした。2戦合計2-1でプレーオフ進出を決め、初の本戦進出にあと1勝と迫った。川島は好セーブを連発し、勝利に貢献するとともにマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。FW小野裕二(21)はベンチ外だった。19日からホームアンドアウェー方式で争われるプレーオフの組み合わせは、8日に決まる。

 試合後のロッカールームは、お祭り騒ぎだった。プレー中は険しい表情を崩さないGK川島も、笑顔がはじけた。踊りながらチームメートと水をかけ合い、勝利を祝福。プレーオフ進出を決め、初の本戦出場が現実味を帯びてきた。

 スタジアムを相手サポーターが埋め尽くす、完全アウェー。前半17分には左クロスを味方DFがクリアしきれず、不運なオウンゴールで先制を許したが「我慢して1点を取り返せば有利になる」とすぐに気持ちを切り替えた。同24分にはミドルシュートを左手1本ではじき、両手をたたき大声でほえた。劣勢の中で追加点を与えず、チームは同36分、42分とカウンターから連続得点を挙げ、逆転した。

 後半は押され続ける展開。同27分には左CKからヘディングがクロスバーに当たり、跳ね返りをキャッチ。同33分にもミドルシュートを横っ跳びで止めるなど、合計24本のシュートをはね返した。欧州連盟(UEFA)が選出するマン・オブ・ザ・マッチにも輝き「自分のチームもうまく盛り返せた。大事なところでいい仕事ができた。結果的に勝ちにつながってよかった」と話した。

 念願の夢舞台まであと1歩と迫り「大きなチャレンジ。いいパフォーマンスをして好結果につなげたい」。歩みを止めぬベテランは、強い心で挑み続ける。