男子800メートルのモハメッド・アマン(21=エチオピア)が1分43秒56の今季世界最高で優勝した。

 2年前のモスクワ世界陸上金メダリストのアマンは、得意とするラストの直線勝負でロンドン五輪銀メダルのニジェル・アモス(21=ボツワナ)らを引き離した。

 長距離種目で隣国ケニアとともに世界を席巻するエチオピアだが、800メートルと1500メートルの中距離種目では、アマンが男女を通じて初の五輪&世界陸上金メダリスト。

 「北京世界陸上へ向けて順調に来ていることを、今日の優勝で証明できた。タイトルを守ることがエチオピアにとって重要であり、私にとっても夢なのです」

 男子5000メートルでは同じエチオピアのユーミフ・ケジェルチャ(17)が12分58秒39の今季世界最高で優勝。17歳の新鋭が、ポール・タヌイ(24=ケニア)ハゴス・ゲブリウェト(21=エチオピア)らの強豪をラスト勝負で制した。

 アマン、ケジャルチャともに第3戦の米国ユージーン大会に続き、ダイヤモンドリーグ2連勝を果たした。

 ◆今季の男子800メートル◆

 アマンの今季世界最高を筆頭に、ローマ大会で4人が1分43秒台と好タイムが量産された。

 ロンドン五輪金メダリストで世界記録(1分40秒91)保持者のデービッド・ルディシャ(26=ケニア)は、3月にオーストラリアの大会を1分44秒94で走った後は今季のレースに出場していない。

 ローマ大会以外ではアヤンルー・スレイマン(22=ジブチ)が、1分43秒78の今季世界2位をダイヤモンドリーグ第1戦のドーハ大会優勝時にマークした。1500メートルに強い選手だがモスクワ世界陸上では800メートルで銅メダル。勝負強さは一目置かれている。