日本陸連は2日、16年リオデジャネイロ五輪のマラソン代表選考基準を発表した。都内で会見した酒井勝充強化副委員長は「世界と戦うための走力がないとだめ。そこの勝負をしてほしい」と明言。メダルを含めた複数入賞を狙うための設定記録(男子は2時間6分30秒、女子は2時間22分30秒)を目指し、内容ではなくタイム重視の姿勢をあらためて示した。

 8月の世界選手権(北京)選考では、基準を巡り騒動となった。選考会の横浜国際を優勝した田中が選ばれず、大阪国際で3位で日本人首位の重友が選ばれた。同強化副委員長は「レース内容が物足りない」と落選理由を述べたが、田中を指導する山下監督はタイム重視の周知不足を訴えた。

 リオ五輪へ不変の方針を取るため、日本陸連では夏ごろには各選考会のペースメーカー(PM)の有無や設定タイムを公表する。昨年は行われず、PM次第でレース運びにも影響があるため、選考騒動の一因となっていた。有無などの判断は各大会に一任する。