男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(19=東洋大)が、復帰即優勝に王手をかけた。右太もも裏肉離れの長期離脱から119日ぶりに出場。追い風0・8メートルの予選は10秒40で通過。追い風0・5メートルの準決勝は10秒30で全体の1位で突破し、今日12日の決勝にコマを進めた。

 決勝に進んだ400メートルリレー予選も含めて1日3本。走るたびに「めちゃ楽しい」と笑った。準決勝は60メートル付近から力を抜いて通過。決勝に向けてリオ五輪参加標準記録(10秒16)を掲げて「目指します!」。

 昨年7月の世界ジュニアで対戦した同じ95年生まれのブロメル(米国)が今夏の世界選手権銅メダル。「一番、刺激を受けた。どんどん先に行かれている。勝負できる力をつけたい」。悔しさを晴らすように疾走した。

 8月中旬には新潟・妙高高原で1週間の合宿。坂道ダッシュを繰り返した。スパイクのピンも8ミリから5ミリに変更。より地面からの反発を感じることを重視している。「世界で戦うことが目標。日本で勝てないと世界で勝てるはずがない。(タイトルを)絶対にとっておかないと」。同種目では初めてとなる学生日本一を掲げた。【益田一弘】