女子5000メートルでアルマズ・アヤナ(24=エチオピア)が14分12秒59と、世界記録に1・44秒差に迫る快記録で優勝した。

 アヤナをはじめ男子3000メートル障害のコンシスラス・キプルト(21=ケニア)、女子800メートルのカスター・セメンヤ(25=南アフリカ)、女子400メートル障害のジャニーヴ・ラッセル(22=ジャマイカ)の4人が今季世界最高をマークした。

 アヤナだけが別次元のレースを走っているかのような強さだった。

 世界記録(14分11秒15)を狙うためのペースメーカーが1000メートルを2分50秒75で通過した時点で、アヤナ以外の選手はペースメーカーの2人に付くことができない。

 ペースメーカーも1000メートルまではウクライナ人選手、2000メートルまではケニア人選手と交替で務め、そのケニア人選手も2100メートルでリタイア。そこからはアヤナが1人で世界記録に挑んだ。

 3000メートル通過は8分30秒43で、ティルネッシュ・ディババ(エチオピア)が世界記録で走ったときより8秒も速い(表1参照)。新記録への期待がさらに高まった。

 4000メートル通過も世界記録を5秒上回っていたが、最後の1000メートルでペースが鈍り、フィニッシュでは1・44秒後れてしまった。

 だがこれで、世界歴代リスト上位6パフォーマンス中、3つをアヤナが占めることになった(表2参照)。

▼表1 ディババの世界記録とアヤナの世界歴代2位ペース比較

       ディババ      アヤナ

1000m  2分48秒08   2分50秒75※

2000m  5分43秒64   5分41秒61※

3000m  8分38秒83   8分30秒43

4000m 11分28秒44  11分23秒57

5000m 14分11秒15  14分12秒59

 ※ペースメーカーの通過タイム

▼表2 女子5000メートル世界歴代パフォーマンス・リスト

歴代順 タイム 選手(国)年月日

1 14分11秒15 T・ディババ(エチオピア)2008年

2 14分12秒59 A・アヤナ(エチオピア) 2016年

3 14分12秒88 M・デファー(エチオピア)2008年

  14分14秒32 アヤナ(エチオピア)   2015年

4 14分15秒41 G・ディババ(エチオピア)2015年

  14分16秒31 アヤナ(エチオピア)   2016年

◆今季の女子5000メートル

 昨年の北京世界陸上金メダルのアヤナが5月22日のダイヤモンドリーグ・ラバト大会で14分16秒31、ローマ大会で14分12秒59と快走を続けている。

 最大のライバルと目されたゲンゼベ・ディババ(25=エチオピア)は、出場を予定していたダイヤモンドリーグ・ユージーン大会を欠場。故障の有無は不明だが、出遅れていると見てよさそうだ。

 ケニア勢では、ヘレン・オビリ(26)がユージーン大会に優勝したが、タイム的にはアヤナと20秒の差がある。

 リオ五輪本番で駆け引き優先のスローな展開になれば、オビリや昨年の世界陸上銀メダルのセンベレ・デフェリ(21=エチオピア)、ローマ大会2位のメルシー・チェロノ(25=ケニア)らにもチャンスが出てくる。